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社員体験記

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第48回:Hさん 設計経験9年

2016.08.10

◆ 父の姿を見て
物心がついた頃から、ドラフタで図面を描いている父の姿を見てきており、小学校に入学する前から将来は同じように機械設計の仕事をしたいと思っていた。
しかし、パズルや数学を解くことも好きだったため、大学では機械設計を多く学ぶ機械工学科ではなく、計算の要素が強いと感じた機械システム工学科に進学した。
学科の中では一番苦手だったのが熱力学と流体力学(熱流体)であったが、卒業研究のテーマを決めるときに 「熱流体解析を用いた温熱環境評価に関する研究」 が与えられ、苦手な熱流体を必死になって学んだ。
今ではその苦手科目を使う仕事をしているので、“人生どう転ぶか分からない”と実感している。

◆ 快適な車内の評価方法を研究
大学を卒業した後も、某自動車メーカと共同で「自動車室内における人体の熱伝達特性予測法に関する研究」を行ってきた。
車内の気流、人体表面温度の変化等、評価する 内容に応じて精度の良い計算方法を考えなければならず、実験と解析に誤差が出た場合、何が原因でどう改善しなければならないのかを常に検討していた。
この経験から今の自分があり、多種多様な解析依頼にもチャレンジしていけるのだと思う。

◆ 確かな根拠がないと時間の無駄を生じる
解析は目に見えない現象をシミュレーションするため、実現象が分からないところは想像で作業するしかない。
しかし、何の根拠もなしに想像して作業すると大失敗につながる。
3ヶ月以上の時間をかけて解析し、いろいろ検討・確認した結果、実現象とは全く違う結果になってしまったことがあった。
こういう失敗をしないために、最初の段階で算出した解析結果を使って計画していたのだが、たまたま合致した数値から勝手に現象を推測して作業したため、アウトプットされた結果が論理的に矛盾したものとなり、半年で終わるものが1年近くかかってしまい、大きく時間を無駄にしたことがある。
この経験から、お客様に解析結果や検討結果を報告する際、「確かなこと」「不確かなこと」を明確にし、「確かなこと」には根拠や裏付けを取るように心がけている。
“仕事ができる人”はこういったところに抜けがないように思う。

◆ 設計改善に貢献
解析業務の中で、解析結果が実際の装置改善に役立ったことが印象深い。
医療機器の設計開発で、効率よく装置を温めるにはどうすれば良いのか? という依頼を受け、熱解析を行った。最初に設計された装置の熱損失について解析で調査。
そこで見つかった問題点から温度の設定方法や形状のパラメータを変更し、多くの検討を行った。
管理する温度の範囲が決められていたことや、装置の構造上の問題からヒータ位置の変更が難しかったため、温度制御に着目し、コストを抑えた最適な条件を提案することができた。
最終的に、自分が行った解析結果を基にした設計が行われていると知り、非常にやりがいを感じた。

◆ 座右の銘 : 「“たい”“たくない”で動くな!」
「“したい・したくない”、“やりたい・やりたくない”で行動するのは子供まで。 “たくない”と感じるものは自分の身になることが多い。」と私の恩師が口にしていた言葉である。
必要かな? と少しでも感じれば絶対にやる! これで後悔したことは一度もないと思う。

◆ 今後の目標
設計と解析のハイブリッドな技術者になりたい。
そのためにも機械の知識を深め、いろいろなことにチャレンジしたいと思う。
また、解析業務がビジネスの柱になるよう大きく育てたいと思う。