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社員体験記

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第45回:Kさん 女性 設計経験12年

2016.04.10

◆ 精密機械工業が盛んな地元の影響
出身地は精密機械工業が盛んなところで、小さい頃から 「日本は資源がない国だからものづくりをし続けなければいけない」 と言われて育った。
数学はあまり好きではないが、理系人口を増やせば日本は豊かになるハズだ!と一時期 教員を志望していた。
しかし、教育実習で撃沈し、地元企業に就職。
電気と機械のエネルギー変換器(モータ)の開発企業で、自分で考えてものを作るのがとてもおもしろかった。

◆ いろいろな民生品用のモータを開発
その会社では、お客様からの依頼を受けて様々なモータを開発した。
・携帯用蚊取器 : 民生用機器は必ず2社購買であり、競合より性能が良いといわれた。
・電気燻蒸気 : 電気用品安全法やノイズ除去等、たくさんの人に助けや教えをもらった。
・自動車の燃料ポンプ用モータ : 自動車関連のTS規格等、いろいろ勉強になった。
・モバイルプリンタ : 2年ほどを要した一番苦労した開発で、お正月も仕事したり、2:00退勤、4:00出社などを経験し、辛い思い出もあるが半面やりがいを感じた。
・磁場・構造解析 (磁場-構造、磁場-制御の連成含む) : 5年ほど担当し、解析を用いた設計の効率の良さを実感した。
 鋼板の加工歪による磁気特性の変化を、ソフトのユーザ会で発表した。
 また、これらの生産について、中国工場へ一人で立ち上げに行ったりもした (残念ながら寄り道はできなかったが・・・)。
*CAEの普及で思うのは、便利なツールを活用して設計者が自由な発想に充てる時間を多くしてほしい。
 CAEがないと永遠に奴隷だ!(実験等に費やす時間が多く、設計する時間が束縛されてしまう) と思うため。

◆ 無理な性能向上策でヨークが破裂して怪我を負う
お客様に評価してもらうモータの試作中、もっと性能を上げたい! と着磁電流を上げたところ、コイルと共にヨークが破裂。破片が手と目の周りに刺さって手術した。
あの時もっと冷静に考えていれば・・・と 今でも思う。
その後は安全管理を徹底した。
そのほか失敗はたくさんあったが、自分で考え、自分で作り出していくことが非常におもしろかった。

◆ 大量生産品受注の怖さ
途上国向けの大量生産品(月産1,000万個ほど)を先輩から押し付けられそうになった。
このような大量生産では、ユーザでトラブルを起こすと巨額の損失が発生する。
「どうするんだ!?」 と課内で話し合ったとき、課長が「やりましょうよ。みんなでやればきっとできますよ」 と一言。
「一生懸命やれば、お客様はきっとわかってくれます」 とも。
前職は完全ピラミッド型の組織だったので、上司にはたくさん助けていただいた。

◆ 座右の銘 : 「最初に論文を書け」
QFD (Quality Function Deployment : 品質機能展開)-TRIZ (発明的問題解決理論) – TM (タグチメソッド) の品質工学の重鎮の指導。
仕様書や論文は実験・試作の後でまとめていたが、この言葉は青天の霹靂だった。
それ以降、何かを始める前に、期待する結果と、その過程を考えるようにしている。

◆ 今後の目標
「転職はやっぱりものづくりでしょう!」 とアルパイン設計を選択してもう数年。
解析して、設計評価して、ガッチリものづくりしたい!