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社員体験記

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第42回:Kさん 設計経験18年

2016.01.10

◆ 特別目標があったわけではなく、何となく設計に…
特に工業系を希望したわけではなく、何となくなり行きで設計の道に入る。
高校の時に「文系」か「理系」かを選択するのだが、単に理数系の成績が良かっただけで「理系」に進むことになる。
将来は数学の教師にでもなろうか…とぼんやり考えていたが、大学は工学部の機械に進む。
やはり基本的にものづくりが嫌いではなかったのだろう。

◆ 商社に入ったが新規事業の準備でいろいろな機械を設計
大学卒業後は商社に入ったが、そこの社長が「これからはものづくりもやらないとダメだ!」ということで、某設計事務所に出向となる。
そこはいろいろな企業から依頼される専用機を開発・製造するところで、難しい課題にチャレンジしながらいろんな機械を設計した。
・ 携帯電話の電子部品の検査装置 : リール状の小さな部品をプレス切断して検査工程に送る装置だが、切断部の変形で苦労する
・ 水晶板の検査装置 : 積層された水晶板を1枚ずつ吸引・反転して検査工程に送る装置だが、重送しない吸引力の調整や静電気で苦労する
・ 鋼管開先切断装置 : 100mm厚くらいの大きな鋼管を大きなカッタで切断する装置で、Automatic Tool Changerを担当したが、工具が簡単に抜けずに苦労する
・ 油静圧リニア使用の放電加工機 : 高精度を追求したリニアモータ使用の放電加工装置だが、磁気の影響で私有のカードが全部破壊されてしまった
・ 自動車コーナーセンサ検査装置 : センサを自動搬送し、自動で端子に電力を供給して良否判定を行う装置
これらの装置は、設計から組み立て・試験・搬送・設置まで責任をもって見るため、ものづくりの全工程を経験できたことが大きい財産になっている。

◆ 梱包製品の搬送装置で、ベルト斜行により切断される
梱包された製品を搬送する装置で、ベルトの斜行調整を考えていなかったのでベルトが斜行し、フランジ部に乗り上げて裂けてしまった。
自身が現場(東京)で据付調整を行っていたので、現場で設計し金沢に連絡して部品調達した。
幸いベルトは予備があったため生産には支障がなかったが、対策部品が届くまでの間、長期間にわたり人質になってしまった。
これも、今思えば貴重な経験をしたと思う。

◆ 商社に戻るも設計の仕事が少なく転社
出向が終わって商社に戻ったが、その頃は新規事業を推進していた社長もいなくなり、設計の仕事もほとんどない状況。折角習得した技術を活かすことができないので、既知のアルパイン設計に転社。
元の商社も状況を理解してくれて、円満退社できたことにたいへん感謝している。

◆ 一から係った装置が無事稼働したときの充実感
設計・組立・試運転・調整をすべて自分で行って無事に稼働できた時の充実感は、設計者として何物にも代えがたいものがある。
高度な装置でも、簡単な装置でも最後のやり切った感は同じであるが、やはり苦労した装置ほどかわいいものである。

◆ 今後の目標
難しいことに挑戦し、純粋に自分の技術力を高めることに邁進して、いつの日か日本に貢献できるエンジニアになりたい。