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社員体験記

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第29回 : Hさん 設計経験16年

2015.05.10

機械・プラント製図 / 空気圧装置組立 技能検定 1級

◆ 大学の製図実習が面白く興味を持つ
大学は機械システム工学科で、その時の製図実習が面白くて設計という仕事に興味を持った。
大学卒業後に工作機械メーカに就職し、設計に配属された。
そこで、設計以外に加工や組立・調整の現場とのいろいろな折衝を経験。
設計にいても、現場とのコミュニケーションが大切ということを学んだ。
ところがその企業が規模を縮小して所属していた組織が無くなり、某製造会社に転職。
そこはコンピュータのCPUのピンなどを製造している会社で、非常に小型部品で精度はサブミクロンのオーダ。
測定はするものの、偏心量などは最終的に目視確認により微妙な調整を行う。

◆ 設計がしたくてアルパインに転社
職人技での製造も良いが、設計業務への魅力を感じ、設計事務所を希望してアルパイン設計に転社。
アルパインでは生産設備を開発するメーカに出向となり、小型・中型ボトリング装置のキャッパー設計などを経験。
サブミクロンの精度を経験しているので、精度は1桁以上違うのでラフな感じがした。
ちょうどその頃、機構の標準化・モジュール化の動きがあり、その業務を担当することになる。
設計のパターンによって、ユニットの組合せができるようにした。

◆ LED選別装置で安定性確保に苦労
その後、別の製造会社に出向し、LED選別装置の設計を担当。
非常に小さく種類の多いLEDチップを、発光強度によって512種に選別する装置で、特に難しかったのはセラミックチップの場合。
樹脂と違ってセラミックでは、チップを保持する時に接触部分が欠けることがあり、金属部は樹脂に変えたりチップの受け台をゴムに変えたりして対応した。
さらに難しかったのは極薄チップで粘着性があるものの場合で、チップのサイドを掴んで保持して下から検査用接点を宛がうが、その力の調整がたいへんだった。
少しでも強いとチップが歪んで飛んでしまい、力を調整する機構の調整を工夫した。

◆ 納得できないことはしてはいけない!
仕事で一番記憶に残っていることは、設計実績のある特殊形状の端子のLEDの担当になった時、上司から「前回と同じ装置」を手配するように指示があった。
ところが調べてみると機構がまずくて特殊形状の端子では導通試験できないことが分かり、それを上司に報告したが、上司からは再度同じ指示をされたので半信半疑で手配した。
結果は予想通り導通試験ができず、再設計・再製作が必要となった。
前回実績あるという装置のことを過去の組立・調整者に聞くと、搬送確認はしたが客先の都合で導通確認はしていないことが分かった。
この出来事で、自分が納得できないことは過去の実績があっても納得いくまで調べないと設計ミスにつながるということを思い知らされた。

◆ 現在は標準設計担当 現在は工作機械メーカで標準化設計の担当をしている。
業務で社内外の要望・クレームの対応をし、日々機械の完成度向上に努めている。
一方、その対応に追われて肝心の標準化がなかなか進まないのが悩みである。

◆ 座右の銘 : 「人の指示は鵜呑みにしない」
人から指示されても鵜呑みにするのではなく、自分で確認することが大切。
常に疑問を持ち、納得しないと人に指示をする「設計」はできないと思う。

◆ 今後の目標はSLQDCの優先順位
Safty(安全)、Law(法律)、Quality(品質)、Delivery(納期)、Cost(価格)の順で設計をすること。
目先のDelivery、Costを優先し、Safty、Lawを疎かにすると、やり直し・再設計・再製作となり、DeliveryもCostも倍以上になる。