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社員体験記

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第24回 : Yさん 設計経験25年

2015.02.25

◆ バイク・車が好きで工学部へ
バイクや車が好きで、大学は工学部へ。
自分で考え、苦労して造ったものが世の中でいろいろな形で使われたら素晴らしいと思った。
アマチュア無線をやっていたので電気系を志していたが、電気は見えないので理解しにくく、機械系に進学。

◆ 卒業後は工作機械の設計を行う
卒業後は工作機械のメーカに就職。
工作機械をお客様のもとへ設置したり実際に動かしたりすることに興味があったので、サービスやサポートの部署を希望したが、大卒の機械ということで設計に配属された。
配属された部署は、旋盤などの加工機をお客様のご要望によってカスタマイズ設計するところで、新規設計要素も多くあり、トラブルも多いのでいろいろと苦労した。

◆ 穴仕上げ機の治具開発で苦労
中でも特に苦労したのが自動車メーカに納めるローラタペットの穴仕上げ機の治具設計。
個人としても治具設計は初めてであり、また、当時の会社にも設計・加工ノウハウがなく、すべてが初めて経験するもの。
治具は搬送部と加工部に分かれてロボット搬送などを行うが、位置決めのノウハウがないために穴位置がずれたり、加工上の不具合や搬送系のちょこ停などが多く出た。
お客様からもおもちゃ扱いされてたいへんにつらい思いをした。
ロボットも生産設備に使うものではなく教育用のものであり、当然位置決め精度も高くないし耐久性もない。
さらに治具での加工には位置決めの固定方法に関するノウハウが必要となるが、そのノウハウも無かったので位置決めが安定しない。
図面も当時は手書きで、修正図面なども出図納期までに出さないといけないので徹夜に近い状態になることも度々あった。
お客様も切削油を変えるなどしていろいろ対応してくれたが、なかなかうまくいかない。
1年以上お客様のもとに通い、最終的には治具の構造や精度を変更して何とか終結した。
トラブルはつらいが、いっしょに苦労してくれた関係者とは強い絆が生まれ、今でも友好関係が続いている。

◆ 業種による考え方の違いがよく分かる
アルパインでもいろいろな業種の仕事を経験している。
情報端末装置開発では、スキャナとPC基板およびタッチパネルとキーボードを一体化する筐体設計を担当したが、自分で操作性や保守方法等を考えて実装方法を決めないといけない。
さらに量産性やコストにも厳しく、デザインレビューでいろいろな目で指摘され、開発でのミスを防止する仕組みの大切さも学んだ。
設計完成後も振動・落下試験やEMI (電磁妨害)試験)、寿命耐久試験などをクリアしないと出荷できない。
設計が済んだら終わりではないところが大きく違う。
製薬装置 (アイソレータ) の設計でもノウハウが無いためたいへん苦労した。
密閉性を確保するための密閉構造に苦労し、洗浄のために穴のあるねじ (六角穴付ボルトなど)も使用してはいけないことも初めて知った。
今では当社にも結構なノウハウが蓄積されているが、当時は試行錯誤の連続だった。
現在は工作機械メーカでエンジン部品の加工機ラインの設計を担当しているが、ここは一個作り製品に近いため、設計ミスの変更は現場で行うことなど、量産工場では考えられないような対応をとる。
ある程度コストは意識するが、納期最優先での対応が多い。
加工品の品質の安定とお客様の要求仕様を満足させるため、設計者としてライン全体を見直して最適設計するように心がけている。
こうしていろいろな業種で仕事すると、それぞれの特色と違いがよくわかり、面白いものだ。

◆ 今後は使いやすく役立つ製品を作ること
これからも自分の経験を活かし、使う人・作る人のことを考えながら、より良いものを、みんなが幸せになれるものを作っていきたい。
また、若い人には言われたことだけをするのではなく、自分の考えを持って行動するように指導していきたい。

◆ 座右の銘 : 「考動力」
何事もそれぞれに考えがあってのこと。
仕事も同じで、考え抜いて考え抜いて、きちんとした根拠を持って仕事をしたい。