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第10回 : T さん 設計経験26年

2014.07.25

◆ 現場ではなく、ホワイトカラーに憧れて!
学校卒業後、何となく現場作業よりもきれいな環境で仕事ができる設計業務に憧れて、工作機械の設計を行っている会社に就職する。
そこで、修行のためということで2年半ほど工作機械メーカに派遣される。
初めはちゃらんぽらんと仕事をしていたが、ある時同僚がすごく成長しているのに自分は以前のままであり、このままではいけないと気づく。
それからは気合いを入れて、本気で仕事に取り組むようにした。

◆ 個人事業主として独立
先の会社にしばらく勤めた後、個人事業主として仕事を始める。
当時設計を行っている人にとっては、何となく独立が当たり前という状況であった。
収入も格段に多くなり、非常に良い状況であったが、あるとき再び自分の成長に疑問を持ち始める。
何よりも情報がない。
入ってくる情報は取引先やお付き合い仲間からの限定された情報のみで、業界や技術の動きが分からない。
このままではいけない!

◆ 再び設計外注に就職し、仲間と会社設立
危機感を抱いて再び設計外注に就職。
しかし、その会社では権力闘争からか内部のゴタゴタが絶えず、堪り兼ねて仲間と飛び出して会社を設立した。
しかし、その会社もリーマンショックの影響を受けて解散。
アルパインに就職することとなる。

◆ 上記経歴の中で数々の装置設計を経験
上記のような経歴を経た中で、いろいろな装置開発に携わった。
・工作機械 (トランスファーマシン、マシニングセンターなど)
・搬送装置 (ガントリー、コンベアなど)
・産業機械 (いろいろ)
・建設機械 (いろいろ)
・半導体製造装置 (成膜装置)

◆ 設計した装置に批判が!
いろいろ経験したが、今でも心に深く残っていることがある。
それは、お客様からの依頼で、お客様の方針通りに設計した装置で、ある顧客の仕様に合致しないことが判明すると、「何でこの仕様になったのか?」と責任追及されたこと。
当然、お客様とは十分打合せし説明もしているのに、トップが変わられたことも影響しているのか、誰も責任を取らない。
結局、外注先である我々が責任を取らされ、開発から外されてしまった。
何か納得いかない状況であったが、これが世間の実状であると思い知らされた件である。

◆ 設計の難題に挑戦
いろいろな設計を行っていると、難しい課題にぶつかることもある。
・幅13mmの扉に10mmの電線を通し、メンテナンスできるようにする。
→ 板金を折り曲げて蝶番のような形状をつくり、挟み込むようにしてケーブルを収納した。
・工作機械の操作パネルの前面にタッチパネルを設置し、操作パネルの操作時はタッチパネルが移動するようにして欲しい。
→ タッチパネルとしてノートPCを使用し、回転はスペースが必要なために上下にスライドする構造とする。
タッチパネルの移動は、バランサー錘でフリーストップ機構とした。

◆ 今後の目標は、設計者としてまだまだ永く活躍すること
まだまだ設計者としてのピークは来ていないと思っており、“その時”が人生の後ろに来るように手を抜かないよう、流されないように仕事に取り組みたいと思っている。