社員体験記
第23回 : Tさん 女性 設計経験14年
◆ 機械と無縁な職種から機械設計へ
短大卒業後、機械とは全く関係のない業種に就職したが、仕事の内容が何となく自分に合わないと感じていた。
そんな中で、建築関係の仕事をしている友人の影響もあってものづくりに興味を持ち、機械の設計事務所に転職した。
とは言え機械の知識がないので、職業訓練センターで機械製図の勉強を始める。
◆ 自動車部品の加工治具設計を経験
その某設計事務所では、自動車部品の加工治具を設計しており、機械加工した精度の高い部品設計が中心。
材料は鉄がほとんどで、焼き入れして硬度を高くしたものが多い。
はめあいや幾何公差もよく出てくるので、どの程度の値が必要かも理解できるようになった。
加工先にも見学に行ったり、会社では組立製作も受けることがあり、ものづくりの一連の作業は理解できた。
◆ 自分の弱点に気づく
アルパインに入って無菌室(アイソレータ)のシェル周りの仕事などをしていると、自分の感覚と異なることで戸惑うことが多い。
公差にしても自分の経験では百分台の公差が一般的であるのだが、アイソレータでは一桁緩い感じ。
機械加工と板金加工の違いである。
それと同時に自分の弱点にも気づかされる。
加工治具では溶接することがほとんどなく、溶接に関しての知識が少ない。
参考図を参照したり周りの人に聞いたりして知識を吸収しているところ。
また、これまでは2D環境での作業であり、それに慣れているので3D環境になると戸惑うこともあり、早く慣れなければいけないと思っている。
◆ 部品に穴をあけ忘れ、放電加工で追加工
過去に計画図から部品図を作成する際に穴をあけ忘れ、そのまま焼入れも終わって部品が完成し、組立てで組付かないことが判明。
部品を再製作する時間もなく、工業試験場に持って行って放電で追加工してもらった。
放電加工は時間がかかるが、その間じっと待つしかなかった。
自分のミスだから仕方がないが、ミスによる損失を実感した良い経験と思っている。
◆ 自分の図面に関連した一連の装置を見る
自分が担当しているのは装置全体の一部分ではあるが、実際の製造現場で一連の装置全体を見ることができたのは貴重な体験であった。
自分が担当しているのはどんな装置のどんな部分で、その役割や機能がどんなものであるかを知ることができ、仕事の意義を理解する良い機会であった。
今後も製作工程の見学チャンスがあれば、できるだけ参加したいと思う。
◆ 今後の目標は柔軟な発想ができるようになること
業務上いろいろなことを教えていただくが、それをしっかり吸収して活用できるようになりたい。
まだまだ頭が固いというか、一方向からの見方しかできないことが多く、柔軟な発想で物事を考えられるようになりたいと思っている。
◆ 座右の銘 : 「継続は力なり」
機械と無縁な職種から、全く異なる機械設計の世界に飛び込んでいろいろ戸惑うこともあったが、それを続けていることでいつかは結果がついてくると感じている。
あきらめずに続けることが大切だと思う。