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社員体験記

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第5回 : K さん 設計経験30年

2014.05.10

◆ 書くことが好き
大学は機械だったが、図面を書くことが好きでより専門的なデザイン専門校に通う。
当時はCADもなく手書きの時代で、図面が完成していく様子に充実感を感じる。

◆ 某設計会社の社長の技術力の高さに驚く
最初に就職したのは某設計会社。
産業設備機器メーカの設計の仕事をしており、特に社長の技術力の高さには驚く。
設計が始まると寝る間も惜しんで没頭し、図面も当時はドラフタだが鉛筆の汚れもなく非常にきれいで、数字も整然としていてたいへん読みやすい。
これを手本に、設計に求められる図面の書き方などを学ぶ。
当時設計していたのはボトリング関係の機械で、ヘッドが180個もあるような大きな充填機などをどのように設計するのか直接教授いただいた。

◆ 想定外の失敗 ① : 装置重心の偏りによる不具合
アルパインに入社しても同じ仕事を継続。
さらにそれ以外の仕事も増え、工作機械や搬送コンベア、メカトロ、洗浄器などの設計も経験。
大きな失敗として記憶に残るのは、装置の全体重心が偏っていて、搬送のために装置を釣り上げたときに傾いて支えていたジャッキが曲がってしまったこと。
これは、大きな装置であるため設計分担がされており、各部分の設計会社が異なっていて、一つに合わせたときに重心まで関心がいかなかったために発生したミス。
どこに責任があるのか?となると、基本的には発注元が全体を取りまとめる必要があるように思う。

◆ 想定外の失敗 ② : 異常時動作時の不具合
もう一つの失敗は、ボトリング装置の充填機からキャッピングへの受渡のところで、通常は問題なく受け渡しできるが、異常な負荷がかかったときに片側が停止すると、停止角度によってはもう一方と当たってしまうというもの。
これも設計分担が生んだ障害で、渡す側と受け側の設計事務所が異なっていたことで生じたミス。
異常負荷がかかったときの動作の状態がお互いに連絡されていなかったため。
幸いにもこれは試運転中に見つかったので、部品を取り付けているノブの高さを低くすることで対応し、お客様にご迷惑をおかけすることはなかった。

◆ お客様から感謝されたときが嬉しい
仕事をしている中で一番嬉しいのはお客様から感謝されたとき。
自分が行った結果に対してお客様がその成果を認めてくれたときには、本当にこの仕事をやってよかったと思うし、お客様との信頼関係が築けたと感じる。
これが仕事をするうえで一番大切なことと考えており、また、仕事の活力の源である。

◆ 今後はの目標は若手を育てること
設計事務所での仕事は、現場・現物が無いので実感がわきにくいが、逆にメーカの設計者よりもいろいろな設計ができるメリットもある。
これまで自分が経験したことを少しでも若手に伝え、若手がはやく技術を身に着けてメーカの設計者と対等に話せるようにしたい。
また、それが楽しみでもある。