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社屋看板を一新しました

2016.08.05
  • お知らせ

 夏空が眩しく感じられる7月下旬、弊社は社屋の看板を一新しました。
社屋の入口横に立つ“鉛筆型看板”ですが、時を経て腐食が激しくなりました。十数年、鉛筆看板はお越し下さるお客様を出迎え、その前で新入社員の入社式を撮影する事が恒例になるなど、社員にとって馴染み深い存在でした。

 看板を一新する際、鉛筆のデザインを残したいという社員の声が多数挙がりました。しかし、CADという便利な設計ツールがある時代です。鉛筆≠製図用具という事になり、家族に広告デザイナーがいる社員のつてを頼り、手前味噌ですが洗練されたデザインに決まりました。

 設置工事の朝、梅雨開け宣言後にもかかわらず大雨でした。。
今日は工事無いね・・・と社員一同落胆していた所、日頃の行いが良いのか、午後から天気が回復しました。
工事業者が順次作業を行い、夕方には新看板が社屋に取り付きました。

 ~鉛筆看板について~
社屋は海沿いに位置しています。強い風や北陸特有の暴風雪に晒されながら、看板としての役割を終えた鉛筆看板について、風力を受けた時の応力分布を計算しましたのでご紹介します。計算環境は、下記の通りです。

表1:解析条件

使用ソフト流体-構造計算 ANSYS Mechanical ver.17
モデリングSOLIDWORKS2015
要素形状四面体
節点数流体 約5万 / 構造 約3万
要素数流体 約8千 /  構造 約2万
計算時間 [分]流体 10  / 構造 1

 鉛筆看板外観を元に、図1のように解析用の環境を3次元モデルにて作成し解析を行いました。
鉛筆看板は、計算の都合上シェル(薄板)ではなく、ソリッド(塊)です。
風速10m/s(台風と同等)の時の計算結果を、図2に示します。

図2:解析結果(1)

                             

最大風圧600Paは、小指の爪1cm2(1cm×1cm)に約60kgの圧力が、鉛筆先端に掛かっている事になります。
鉛筆の高さがおよそ2mです。台風の風雨が、2mの建造物に及ぼす圧力を何となくイメージ出来るでしょうか?

流体解析で得られた風圧の結果を、構造解析にインポートして、風速10m/sの時の応力を図3に示します。

図2:解析結果(2)

                              

鉛筆の根元に、最大3.5MPaという結果は、小指の爪に約35kgの圧力が掛かる事と同等です。
鉛筆は建造物なので、文句を言わないですが、台風の時は悲鳴を上げていたかもしれません。
看板の鋼板はボロボロなので、簡単に撤去出来ると考えていました。しかし、工事業者が看板を確認した所、鉛筆の支柱の中にコンクリートを流し込んでいるので、非常に頑健で撤去は大掛かりになりそうと言われました。
計算結果と実際が違う場合がありますが、計算で現象を捉まえたり、予測を行うことができます。

 看板を一新すると決まった際、筆者は直ぐに複合問題を解くチャンスだと考えました。
しかし、業務と関係が無いので周囲に否定されるとも思っていましたが、意外にも「面白いね、やってみよう」と言ってくれる社員が殆どでした。
回計算した流体-構造解析の結果は、5月に開催されましたMEX金沢2016の弊社ブースでも展示しました。

 看板一新に伴い、今後とも、「鍛える」「応える」「進化する」企業理念のもと、専門性に特化したサービスを提供すべく、邁進していく所存です。
弊社にお立ち寄り下さる際は、是非新看板をご覧下さい。

- 以上 -