デザイナーと聞いて、何を連想しますか?
デザイナーズマンション?設計事務所のコラムだから、工業デザイナー?
デザイナーと名が付いた、様々な用語が思い浮かぶのではないでしょうか。
本コラムでは、我が家のデザイナー体験をご紹介します。
話は今から約1年半前の夏に遡ります。
ある写真スタジオで、創業記念企画の用紙を貰った事から始まりました。
それは、10歳以下の子が撮影衣装のデザイン画を応募し、グランプリには当人サイズで製作されたデザイン画衣装をプレゼントしてもらえるという、
夢のような企画。
我が子はすっかりその気になり、「絶対応募する!」と意気込みました。
全国からの応募だよ?グランプリは難しいと思うよ、と牽制したのですが、本人はやる気満々。早速書く、というので、次の事を教えました。
・最初に、頭の中でしっかりとドレスの形、色を想い描いてから書く。
・書いた後で、次々とデザイン変更しない。
・色付けはカラフルに、丁寧に。
まさにフロントローディング(前倒し設計)。
手戻りは絶対しないこと!だから応募用紙に書く時消しゴムは使わない!と伝えたら「うんわかった」と、1回下書きして、比較的短時間で仕上げ、応募したのでした。
次に話が進むは、その半年後の冬。積もった雪に足を滑らせ、頭を強打した日でした。
頭から血が滲んでいるし、脳に何かあったら・・・と心配になり、病院で診察を待っている時でした。
脳疾患の時、うまく喋れなくなるのはナ行だっけマ行だっけとぼんやり考えていたら、「お子さんのデザインがグランプリを受賞しました」という吉報を受けたのです。
想定外の事で、「はぁ」という淡白な受け答えしかできなかったように記憶しています。
じわじわとスゴイ事になった!という気持ちになりましたが、当人にはサプライズにしようと、グランプリを受賞した事は、だいぶ時間が経ってから伝えました。
そして、2ヶ月前の春。
「ドレスが完成しました!」という連絡と共に、そのドレスを着た当人を撮影して頂けることになりました。
撮影当日には、創業記念企画担当のかたが、遠方からわざわざお越し下さって、お祝いしてくれました。
営業時間外の店舗に、「グランプリ受賞おめでとう」と装飾して頂き、クラッカーの鳴り響くなか、掛けられた布地を外し、ドレスと対面。
普段、下の子ばっかり可愛がってズルイなどと拗ねたりするのですが、いざ自分が注目されると、お礼も言えない位照れまくりでした。
「凄いね~、将来はデザイナー?」なんて、盛り上げて撮影して頂いて、当人も大満足。
しばらくして、一緒にいた下の子も、撮影しませんかと声を掛けてもらい、ためらうことなくお願いしました。
そして、「おうちの方もどうですか?」と言われ・・・。
・・・え?撮影してもらえるのは子どもだけと思っていたので、フツーの格好なんですが・・・。
でも、せっかくなので、ドレスを着てウキウキしている子どもの横で、もっさりと撮影に加えてもらいました。
--- K.N ---