スタッフコラム
雪の科学館にて
今年4月、石川県加賀市にある、中谷宇吉郎雪の科学館に行ってきました。
宇吉郎という人物をご存知でしょうか。
人工雪の作成、雪の結晶の撮影等、低温科学を研究していました。
また、「天災は忘れた頃にやってくる」という文言で有名な、寺田寅彦と師弟関係にあった人物です。
中谷 宇吉郎(なかや うきちろう、1900年(明治33年)7月4日 – 1962年(昭和37年)4月11日)は、日本の物理学者、随筆家。位階は正三位。勲等は勲一等。学位は理学博士(京都帝国大学・1931年)。
北海道帝国大学理学部教授、北海道大学理学部教授などを歴任した。
-Wikipediaより抜粋-
周囲と調和のとれた六角塔
建物は、磯崎新が雪の結晶をイメージして設計しています。
入口が2階、展示が1階です。
訪問者は雪の様に降りて行くという、斬新なデザインでした。
筆記用具、製図道具、カメラ、眼鏡等、生前使用していた道具が数多く展示されています。
雪の結晶の写真も、沢山掲示されていました。
雪、氷の研究に関する随筆は知られていますが、寒国の住宅設計も行っていました。
家を効率良く、均等に暖める工夫を考えたようです。
北海道という、自然環境が厳しい地域に住んだ事が縁で、研究の延長線上として暮らし易さも考える・・・
本当に優秀な人は、才能がマルチですね。
科学館では、雪と氷の実験を体験できます。
シャボン玉を瞬時に凍らせたり、過冷却水を触らせてもらったり・・・説明員のかたが、丁寧に説明してくれました。
宇吉郎を知る切っ掛けは前職の上司でした。
1ヶ月に1度、部門長講話があり、部長職が自由に語っていました。
上司は講話の際、宇吉郎の有名な言葉「雪は天から送られた手紙である」を、開発部品に捩って披露しました。
“電流波形は部品から送られた手紙である。
そしてその文句はオシロスコープの波形及び音という暗号で書かれている”云々。
当時は身近に実機、測定機器があり、自分で試作してトライアンドエラーを繰り返したりしていました。
上司の話の様に、落ち着いて音を聞いたり、電流波形を見るうちに、部品を分解しなくても、どんな状態か何となくわかるようになりました。
現在は、実機を見ることも、測定することも、ありません。
しかし、図面を見て、落ち着いて設計者が言わんとするものを追っていく事は、測定から得られた結果を読み解く事に近いと感じています。
宇吉郎がグリーンランドで行った氷の研究は、半導体デバイスの単結晶製造に活用されています。
当社のお客様は半導体製造装置メーカーもあり、仕事でも繋がりがありました。
グリーンランドから運んだ石の奥が、柴山潟に隣接したカフェ
宇吉郎の出身地、石川県に住んで6年目。
念願叶って雪の科学館に行く事が出来ました。
唯一の心残りは、家人が急かした為、併設されていたカフェに寄れなかった事です。
次は、カフェで柴山潟を臨みながら、のんびりしてみたいです。
最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました(^^)
— スノーマン —