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スタッフコラム

音楽と記憶

2008.05.01

今ではすっかり聞き慣れてしまったCDの音。
確かに音質は綺麗でムラが無い。
久しぶりにレコードを聞いてショックを受けました。
目を閉じると音が飛び出してくるのです。
目の前で楽器を演奏し、歌手が身をくねらせながら歌っているよう。
そうそう子供の頃によく聴いたレコードの音だなあと。
レコード盤の上を滑る針がシャーとかジジッとか音をたてて。

先日、金沢蓄音機館へ行ってきました。場所は金沢市尾張町、橋場町交差点の近くです。
明治から昭和にかけての蓄音機や多数のレコード盤が展示してあり、観光客も訪れる館です。
月に数回いろいろなイベントがあり、当日はSP鑑賞会でした。
私が生まれるずっと以前の昭和初期のヒット曲を20曲近く聴かせていただきました。
唯一「あぁ聞いたことあるっ!」とうれしくなったのが“一杯のコーヒーから”でした。

30人程サロンに集まっていたでしょうか年配の方々は一緒に口ずさんでいてとても懐かしそうです。
独特のメロディーに包まれてなんだかジーンとくるものがありました。
蓄音機のおおまかな仕組みはレコード盤をのせる台があり、人間の手でハンドルを回してぜんまいを締めます。
ぜんまいの緩む力で盤が回転し、針が盤の溝を滑り音をひろって、そこから長い管を通ってラッパのように開いた所から音が出てきます。

幼い頃にラッパから出る音に驚いて恐怖を感じたかすかな記憶があり、あれがどこだったのか思い出せないもどかしさでいっぱいの今日このごろです。

— M.K —