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4月28日、土曜日。

2007.06.01

4月28日、土曜日。
今日は私の結婚式です。
変な緊張感と、楽しみと嬉しさと不安が、昨日から続いていました。

70歳以上である母の2人の姉は、妙に高いテンションです。
そわそわしている甥や姪達、何から準備していいのかわからずうろうろしている叔母や姉。
私も昨夜から頭の中を「本日はお忙しい中、私達のために・・・」と文句がうずまき、シャープペンを玉串代わりに練習していました。
母による私の着付けも終わり、どこに差すのかわからない扇子を持ちながら「そろそろ行かんなんがに・・・」と母、伯母、姉と4人がかりに着付けされている姪を見ながらうろうろです。
すると甥2人が「ネクタイの閉め方わからん!」とわめきだし、式場に持っていくお饅頭を箱につめている兄の所へ行き、ワッカを作ってもらいながら悪戦苦闘しだしました。

何やら周りのみんなも私と同じ様に、異様な雰囲気に包まれているようです。

15分遅れで到着すると、急いで荷物を控え室に置き、お世話になったスタッフと今日、お世話になるスタッフにあいさつです。 「会場係にカメラマンと。あっ2人いる!司会者の方まだ来ていない!」とまたうろうろ。
つられて姉や姪、甥もうろうろです。

そうこうしている内にお出迎えの時間です。
ホテルの入口で待っていますと、彼女が到着しました。
一斉にビデオとカメラマンが撮りまくりです。
心配していたカツラも思っていたほど重くないらしく、いつもと違った彼女が静々とこちらにやってきます。 着物と化粧をすると変わるもんで、まるで別人です。
声や話し方もおとなしく、つられてこっちも緊張度が増してきました。

引き続き、ホテル内で撮影会が始まり、お願いしていたカメラマンの他に、親戚や早くにきていた彼女の友人までもが加わり、どこを見ていいのかわからない状態です。
何度も「笑ってください」と言われるのですが、どうも引きつってしまいます。
あと、やはり式や披露宴は女性が主役だと感じました。化粧や髪型、着物のズレなど、こと細かに直して撮影していきます。
それに、彼女に対して「きれいやね」「素敵やね」とお褒めの嵐です。
私の方は、カメラマンに2、3度、メガネのズレをなおしてもらいましたが、髪型などは一度も直されることなく、撮影は進んでいきました。
ただ横を見ると、彼女は嬉しそうに、楽しそうに、カメラマンの「笑って」にもなれ、にっこりと撮られていました。

ようやく式です。
式では控え室で聞いた事などすっかり忘れ、斎主の言うとおりに進行していきました。
玉串をちゃんと回せ、誓詞も何とか間違えずに言え(ふりがながふってありました)、
指輪も半分しか入りませんでしたが、彼女が「そっと自分で隠して入れなさい」という斎主の言葉も忘れ、しっかりと時間をかけ、入れてくれました。

式も終わり、緊張もとけ、ホッとしていると、親族紹介で兄が父のことを「今日は上から降りてきて、たぶんここら辺で見ていると思います」と言った時には、涙があふれてきました。

天気も良くなり、光の入った白いバージンロードでの折鶴シャワーでは、たくさんの親戚や友人、駆けつけてくれた同僚達に出迎えられ、感動しました。

後で写真を見ると、式が終わると私も彼女も、笑いっぱなしでした。ただ母は、最初から最後まで、泣きっぱなしです。やっとひとつ親孝行ができた気がします。

ちなみに披露宴では、異常なほど盛り上がりました。

— T.H —