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スタッフコラム

調べ物の話

2023.11.20

先日、ニュースを見ていると「ハイパーカミオカンデ実験施設の本体空洞ドーム部が完成」という
タイトルが目に留まりました。

スーパーの次はハイパーという明快さをほほえましく思いつつ、
ハイパーカミオカンデはどのような目的で運用されるのか気になってきました。

公式HPに行くとちゃんと研究目的が載っており、以下の4つの目的があるそうです。
(余談ですが学生のとき以来、久しぶりにac.jpドメインのページを見ました。)

「CP対称性の破れの測定」「ニュートリノ質量の順番の決定」
「宇宙ニュートリノの観測」「陽子崩壊探索」

カミオカンデがニュートリノの検出器というのは知っていたので
ニュートリノと書いてある半分は何となく理解できます。

「陽子崩壊探索」も今まで観測できなかったイベントを、スーパーに比べて約10倍大きい観測範囲で
捕えようとしているのは何となくわかります。

「CP対称性の破れの測定」  全然分かりません。
知らない単語が破れているので何の話かさっぱりです。
ありがたいことにハイパーカミオカンデのHPは分からない人向けに解説してくれています。
超ざっくりですが曰く、宇宙や物理法則が私たちの知る姿になった原因を探っているそうです。

壮大です。単語の分からなさも含めて「CP対称性の破れ」が気になってきました。
安直にWikipediaで調べるのも一つの手段ですが、専門性が高い事柄を誰が書いたか、
合っているのか分からない辞書で調べるのは気に入らない性分です。

こういう時に便利なのは「レファレンス協同データベース」です。
このサイトは図書館の利用者が調べ物をした際の質問と図書館(司書)の回答のやり取り、
レファレンスサービスを記録したデータベースです。
調べたい事柄に本のプロが適した本を紹介している上にデータのソースが本なので
Wikipediaよりは信頼性が高いです。(本が絶対に正しいわけではないですが)
さっそくデータベースをCP対称性の破れで検索してみると、1件ヒットしました。
専門性が高い単語ですし、ヒットしなかったら「ニュートリノ」「量子力学」「分かりやすい」等で
検索しようと思っていたのでラッキーでした。

ヒットした内容を見ると、

質問:益川敏英氏のノーベル賞受賞記念講演の内容を知りたい。

回答:益川敏英著『科学にときめく』内の「ノーベル賞受賞記念講演 CP対称性の破れが我々に語ったこと」に
   講演の内容が記載されている。

とのことでした。

週末に図書館に行って該当の本を読んでみようかな、と思いつつ記念講演なら
ネットのどこかに内容が転がっていないかと検索すると  ありました。

京都大学が資料込みでpdf形式にまとめて公開していました。
本を読みましょうという話をしておいて結局本を読まずに済ませていますが、一番言いたかったのは
「レファレンス協同データベース」という便利なものがあるので使ってみませんか?ということなので
良しとします。

そういうわけで、私の調べ物の話でした。

S.K